・あのときの香りがほんの少しだけ残っていて、すごく寂しくなっている。
「この時間がずっと続けばいいのに」と、心から願えるようなとき。1秒も無駄にすることなく、まるで手のなかに注いだ水がこぼないようにと必死になる。大切なひととの時間や、2度と経験できないような場面。ほんとうに貴重なことは、終わる瞬間を意識してしまって寂しい。
ただ、そんなことであったとしても、時が経てば「頭の中の記憶」がどんどん薄れていく。たった1時間でさえ、明らかに忘れていく。悲しくて切なくて、でも、そのときに生まれたであろう「香り」。その香りは、感覚的にずっと覚えている。同じような香りを嗅いだとき、そのときの出来事が鮮明に蘇る。
「日々というのが、それだけで宝物」だと、どこかのキャッチコピーに書かれていた。贅沢をいうなら、そんな日々もちっぽけに思えるくらいの大切な出来事を増やしたい。思い出したくなるだけでなく、ずっと持ちづけたくなるようなもの。「香り」まで鮮明に覚えているようなものを。
今日も「頭サビ9割」に来てくださって、ありがとうございました。