苦労することのメリットは十分に理解できる。しかし、それが全ての人々に享受されるものではないと考える。たとえば、複合的な要因によってストレスを抱えるひとが「苦労はメリットがあるから、乗り越えようぜ」というメッセージを受け入れることが良いとは言えない。「苦労を受け入れるべきひと」は心身ともに健康であるひとに限られる。ほかにも、ある気がするな。
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「若いうちに苦労しておいたほうがいい」と言われることがある。これは「苦労することが大事」というのではなく「苦労から教訓を得ておくことが大事」というのが本質的なメッセージな気がする。それは人生が苦労の連続だからこそ、苦労を受け入れ教訓にできれば、次に活かせるからだと思う。やっぱり1度した苦労は、長い人生において2度も3度もある。だからこそ若いうちに苦労をし教訓にしていれば、それは学びとして活きてくる。
しかし大人になってしまえば、苦労から逃げようと思えば逃げられると感じている。もしかしたら、今の子どもにとってしても可能かもしれない。「多様性」という価値観が社会に受け入れられるようになってから、画一的な対応が「正」ではなくなった。だから以前なら苦労に対して「乗り越えることが正」だと画一的に信じられていたはずだけど、決してそうではない。今なら多様な考えのもと「苦労への対応」は議論されうるなかで、苦労から逃げることも受容されるのだ。
苦労ってなんだろう。したほうがいいけど、したくないよな。苦労してなさそうで、幸せそうなひともいるんだよ。苦労って、なんだ。
今日も「頭サビ9割」に来てくださって、ありがとうございました。勝つ。