・向上心のないものは馬鹿だ
と、むかし読んだ本に書いていたことが鮮明に残っている。それ以来、じぶんは馬鹿なのか?と自問するようになった。
ひとつの企業に入って、まわりのひととの違いはなにか、と聞かれれば「向上心」だと思う。まわりからは、溢れんばかりの「向上心」を感じる。それをみて、すこし焦る。それと同時に、なぜ向上心を持ったほうが良いのか?と考えるようになった。
考えると、自分なりの理由は明確に出た。20代の間に向上心を持って取り組めば、ふつう経験しないようなことを得られ、できることの幅が広がる。できることの幅が広がれば、人生における選択肢が多くなる。
そんなことをメリットとして捉えられるから、向上心を持ったほうが良い。ほかのひとは「向上心を持って他のひとよりも取り組めば、自信がつく。自信がついたほうが、いいじゃん」と言った。(この発言は、会社の社長なのだけど)
理由はなにであれ、向上心は持ったほうが良さそうである。そんな自分は持っていないのか、というと嘘になる。人並みには「向上したい」と思っているけれど、今の環境ではーーまるで名門校で落ちこぼれた学生のようなレベルなのだ。
おそらく向上心というのは、自分の適正幅というのがあって、その範囲を超えてしまうとショートしたり、終いには病んでしまうのだろう。そのうえで今の企業で働けている以上、良いきっかけとして、少しずつ「向上心」のエンジンをかけていく。
向上心のないものは馬鹿か。そんな問いがあるのなら、ぼくはまだ頭を抱えてしまうだろう。実際のところ冒頭の一節は、夏目漱石の『こころ』という小説における「精神的に向上心のないものは馬鹿だ」という一文を記憶が辿ったらしい。
たしかに「精神的」な向上は、必要かもしれない。ただスキル(能力)的には、向上すべきなのだろうか。うーん、馬鹿かどうかは対象によって変わる気がしました。
今日も「頭サビ9割」に来てくださって、ありがとうございました。