・サクッとさらっと、書きます。
今から20年前に、現・株式会社ほぼ日の代表である糸井重里(氏)と対談した、ダウンタウンの松本人志(氏)が放ったことば。
永ちゃんがあんだけね、あの、なんでしょう……、
綿密な計算もたてつつ、あれだけのコンサートやって
最後パシーッとキメなあかんとこで、
タオル背中かけて終わらなあかん、
スポットライトがスーッと消えていくとこで、
タオルがいかんせん逆さまやったりするんですよ(笑)。
永ちゃん、というのはロックシンガーの矢沢永吉(氏)のことだ。ぼくはこの矢沢という男について、ほかのひとが話すエピソードが好きだ。たとえばホテルの自動ドアに顔をぶつけた際に、「このドア、フェアじゃないね。」と言い放った話が有名である。
そんな抜けたところもあるけれど、そもそも彼は、超かっこいい。
1977年に日本人ソロ・ロックアーティストとして、初めて日本武道館でコンサートを行った。それ以降、武道館で140回以上の公演を開催し、今でもチケットが完売するほどの日本ロックのレジェンドだ。カッコよくないわけがない。
矢沢(さん)の魅力とは「カッコよさ」と、前述のように少し抜けた「ダサさ」という矛盾する2つの性質が、ひとりの人間のなかに共存していることだ。そういった魅力を兼ね備えるひとは、だれからも好かれて、なんとなく憎めない。
かっこいいひと、というのは、完璧な状態にどんどんと進んでいくものだと思う。だから、間違いが許されない。イメージしてみると、カッコいいひとが間違えた瞬間に、少し冷めてしまう自分がいる。
けれど例外的に、まちがったことを「オッケー」としてしまうような人柄を兼ね備えた、カッコいいひとがいる。格好良くないことも含めて、カッコいい。やはり目指すなら、そういうひとだなあ。
今日も「頭サビ9割」に来てくださって、ありがとうございました。