・粗末につきあった人から、返信が来ていた。
ぼくが大学3年生のときに、むかし仲良くしていたひとと、ひさしぶりに京都で会うことになった。そのひととは、すごく魅力的なひとだったけど、ささいなことで別れたのを覚えている。
京都で再会した日も、思い出話に花が咲いた。けれど、そのときにふと「ひとと別れるのには、別れるだけの理由がある」と思った。だからどれだけ再会した日が楽しくても、けっきょく関係が戻ることはないのである。
そのひとと過ごしたの大半は、最高に楽しいものだった。しかし「終わり」を迎えるとき、というのはたいてい居心地が悪い。そのひとの場合も例外ではなく、早く終止符を打とうと関わりかたが粗末になった。無視することだってあった。
「終わり良ければすべて良し」なんて言うものの、逆に終わりが悪ければすべて悪く思えてくる。だからそのひとと、些細なことで連絡を取り合うことがあっても、「粗末なことをした」という自責の念は拭えないものだ。
そんな自分を許すことを目的として、そのひとに「ごめんなさい」と謝ることはできる。しかしそれは「悪いことをした」という過去の事実を消すことを意味するわけではない。
もしかすると、そのひとからすれば「もうどうでもいいこと」なのだろうか。<いい加減、そんなこと忘れろよ>と、思われることかもしれない。しかし自分が「過ち」だと感じる以上、忘れることはできない。
とくにひとに対して、「あんまり幸せにしてやれなかった」とか「粗末なことをした」ということが強く印象に残っている。きっと今の自分にできることは、過去を許すことではなく、これから同じことを繰り返さないよう努めることなんだろうな。
今日も「頭サビ9割」に来てくださって、ありがとうございました。