・パンダガジュマルの木を買った。
ある雨の日に、近所に花屋があるのを見つけた。ふらっと立ち寄ってみる。すると40代くらいの男性のオーナーがいて、社交辞令よろしくやりとりした。<観葉植物がほしくて。ただ具体的にどれがいいとかはないんですけど>と伝えると、オーナーは「じゃあ、いっしょに卸売りの花屋にいきましょうか」と言ってくれた。
いわば”花屋の花屋”だ。そこには観葉植物もサイズに合わせてあるし、植木鉢も、肥料も、スコップも。そこは植物だけでなく、植物を育てるためのものも全て揃っているようなところである。そこだったら好きなのが見つかりますよ、と教えてくれたので、花屋の花屋に行くことになった。
そこにはほんとうに、広いスペースに見切れないほどの植物が置いてある。もともとは曲がりくねった幹が特徴的な「フランスゴムの木」に目星をつけていたけれど、ガジュマルの木をみたときに心が動いた。アンコールワットなどではガジュマルの木が建造物を侵食しているくらいで、その生命力の強さに惹かれた。
花屋のオーナーは、植物を買って帰る客は笑顔で溢れていると言った。その意味が、今ではすごく分かる。どんな木でもいろいろな「語り」をその内側に持っているのに、日常に溶け込んでいるがあまりに気づけない。その「何事もないフリをした中にある素晴らしさ」触れるだけで、心がホクホクするのだ。
今日も「頭サビ9割」に来てくださって、ありがとうございました。