・「真剣にならないと、おいてかれるよ」
そんなひとことを、言われたのはいつぶりだろう。いや、「おいてかれる」なんてことを言われたことがなければ、思ったこともなかった。研修で同じチームのメンバーからそう言われると、妙に現実味を感じて怖くなった。
研修の内容は「仮想企業に広告を提案するもの」である。あくまで仮想…そう思うと、身が入りきらなかった。ぼくのチームでは、顧客(仮想)に提案しても受け入れられない、という状況が2ターン続いている。そのあとに「本気が伝わらない!」と顧客からお叱りの言葉を頂いたけれど、ぼくは「研修なのに、リアルな感じだしてくるなあ、このひと(たぶん同じ会社)」と思っていた。そんなふうに、ぼくはずっとヘラヘラしていたのである。
そのあとメンバーとのミーティングでは、お通夜みたいな雰囲気だった。ある意味、当然である。そこでぼくは和ませようと、最大限にヘラヘラしてみた。しかし、ダメだった。メンバーのひとりは顧客に怒られたことで、ーー仮想顧客であり、研修といえども「このままで終われるか!」とやる気スイッチがオンになっていたのである。「真剣にならないと、おいてかれるよ…」という発言は思いもよらず、自分の言動を見直すことになった。
振り返ってみると、ずっと無責任に過ごしてきた。大学生まで「責任を持たない」という特権を活かして、好きなように好きなだけ。しかしその延長で研修に参加し、スタンスを変える必要性を感じた。社会人では、真剣にならないといけない瞬間が多々ある。真剣になるためには、ひとのせいにしたり、責任を放棄したりではいけない。自分ゴトに捉えることで、はじめて真剣になれる。
また真剣に物事を取り組んだ先に、本気という感情が生まれる。ぼくの働く会社では、本気にならないと「こなせない量」の仕事が降ってくるわけだから「真剣にならないと、おいてかれる」というのも、全く間違いではないなあ。
この研修は、スタンス研修とも呼ばれる。ぼくにとっては「無責任」から卒業し、「他責思考」から脱却したスタンスが求められているんじゃないか。
今日も「頭サビ9割」に来てくださって、ありがとうございました。