「自分に興味なんてない」なんて言わない。ということを書くときは、たいてい身の回りで「あたしのことなんて、誰も興味ないよ」と言うひとがいたのだ。そうでない限り、そのようなテーマで書き始めることは、たいていおかしいのである。
きっと世の中にある「主題」となる考えは、著者の身の回りで起きた出来事から着想を得ている。考えてみると、今は未曾有の感染症拡大が生まれているから、noteもはてなブログでもツイッターでも、8割くらいのテーマが「新型コロナウイルス」に関連している気がする。
それは今までも同じで、時代を超越する世界的ヒット作品もミクロでみれば、当時の時代背景を丁寧になぞっていることが多い。ジブリ作品の多くをプロデュースしている鈴木敏夫さんは、『スター・ウォーズ』(1977年)のプロデューサー、ゲイリー・カーツの言葉を引き合いに出しこう述べている。
ーーかつてハリウッド映画の最大のテーマは”ラブ”だった。しかし、『スター・ウォーズ』の登場で歴史は変わった。”フィロソフィー”がテーマになったんだ。もし、大衆的なレベルでの哲学を提示する作品が出てくれば、それが次の時代のヒット作になるだろう。
僕は子どものころから、ありとあらゆる種類の映画を見てきました。ジブリで映画を作るようになってからは、いつも「時代のテーマは何か」ということを考えてきた。そうやって経験を重ねるうちに、カーツの言わんとしていることが、よく分かるようになってきました。
『千と千尋の神隠し』(2001年)では社会問題をもとに「現代っ子」や「資本主義」に対するメッセージを伝えていたとされている。
着想する範囲に程度はあれど、身の回りにあることから感じて、僕たちは伝えたい。そう考えると映画や音楽などの作品から誰かの発言まで、メッセージの裏側にある「想い」を読み取るのが少し楽しくなる。なにがあったんだろう、ってね。
今日も「頭サビ9割」に来てくださって、ありがとうございました。