頭サビ9割

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〜自分と向き合う時間〜

別れは、悲しもうとするだけ悲しめる #297

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・東京に引越しをする前日に、この日記のようなものを書く。

明日の朝、家を出る。荷物をまとめたはずなのに、思いのほか自分の部屋に変化がない。それは、もともとモノを持たない性格だからでしょうか。それ以上にここ数日間で変化があったことは、やはり自分の感情だ。さきほど寝ようとしていたら、一緒に住むネコが寄ってくる。こちらを見るわけでもない。ただ近くにいるだけなのに、自然とこちらが悲しくなった。

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僕が大学に入学したての頃、2年ほど一人暮らしをしていた。それは高校卒業までの17年間で、溜まりにたまった「独立思考」が爆発した結果といっても過言ではない。とにかく、家を出たかった。そしてそのときは家族と過ごす時間というのが、これからも無限にあるものだと思っていた。しかし今は違う。

お母さんは僕がフィリピンから帰ってきて、ふたたび一緒に住み始めた頃からいつも「こうやって一緒にご飯を食べられるのは、あと何回あるだろうねえ」と言う。最近になって勤務地が東京に決まり、のろのろと引越しの準備をするうちに、ほんとうに「何回あるだろう」と考えるようになってきた。そして「もう二度と会えないかもしれない」ということが、ふとよぎった。すると、途端に悲しくなる。

だれかと別れるとき、僕たちは大人になるほど「また出会えるだろう」と思う。しかしそんな希望的観測も、時には大きく外れてしまう。もう出会えない、ああ、もっと想いを伝えていればよかった。そんなふうに後悔するんじゃないかと思って、僕は親とネコに感謝の思いを伝えることにした。

別れは、慣れる。たいして別れを惜しまなくなった、自分がいる。しかし悲しもうとすれば、まだまだ悲しめる。「未来」のことを考えれば、きっと悲しんだほうがいい機会だってある。

 

今日も「頭サビ9割」に来てくださって、ありがとうございました。