東日本大震災のときに、被災地を勇気づけるスローガン「がんばろう日本!!」があった。これには「大震災、津波、地震」のような、センシティブなことばを避けたうえで決まったという。巷では「コロナに負けるな」や「コロナをふっとばせ」などのスローガンが見られるけれど、それらは「コロナ、肺炎、ウイルス」という直接的な表現を含み、被害者にとって苦しいものとなる。もうすでに新型コロナウイルスにも、同様の気遣いが求められているはずだ。
「コロナ」についてネガティブなインプットを半強制的にし続け、みなさん、しんどくなってきた頃でしょう。僕自身、2月のはじめに大学の卒業式がなくなった頃には「コロナ」を他人事だと思っていたものの、今やそうではない。卒業旅行の縮小と変更や、入社式と研修の中止、飲み会の自粛など…もう「被害者」としての自覚がしっかりと芽生えている。だから「コロナ」というコトバを見るのは、決して気持ち良いののではない。
まだまだ、どんどんと広がっていく。iPS細胞研究所所長である山中伸弥氏は、以下のように述べた。
新型コロナウイルスとの闘いは短距離走ではありません。1年は続く可能性のある長いマラソンです。日本は2月末の安倍首相の号令により多くの国に先駆けてスタートダッシュを切りました。しかし最近、急速にペースダウンしています。このままでは、感染が一気に広がり、医療崩壊や社会混乱が生じる恐れがあります。一人一人が、それぞれの家庭や仕事の状況に応じた最速ペースで走り続ける必要があります。
1年は続く、なんてやっぱり、今までの天災と同じように捉えたほうが良い。専門家ではない僕は、「コロナ」ということばに気遣うことを続けたい。
今日も「頭サビ9割」に来てくださって、ありがとうございました。