「数あれば、良いってもんじゃない」
と痛感することがある。
例えば、生け花。
テレビで芸能人が生け花を披露し、
プロの華道家にチェックされる。
その華道家のひとは厳しく、
歯に衣着せぬ批評を繰り返した。
生け花は「空間の面白さ」を大事にすべきらしい。
これは、きれない花を
たくさん挿せばいいのではなく、
その花が空間で活きているかどうか。
つまり適した空間づくりを、
花の量を制御しつつ生みだすことが、
良い生け花につながるようだ。
このような考えは、漫才にもある。
「間の面白さ」
ボケをたくさん入れれば良いのではなく、
”間”を利用したボケができるかどうか。
たくさんのボケがあると、
漫才が終わった瞬間
「おもしろい」より「疲れた」と
思ってしまいかねない。
振り返ったときに
「心からおもしろい」と思えるか。
間をうまく使いながら
「次は何をボケるの?」
と期待値を高めさせ、
ボケ一つひとつの笑いの量を増やす。
これは上方のベテランに見られる、
良い漫才の特徴だ。
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これらの所作、共通するのは省略。
ひとは「伝わっていない?」
と不安なときほど、よく話すように
「なにか足りない?」と
不安になるほど付け加えるもの。
省略は不安ではなく、自信の現れであり
「これで通じなければ、それでいい」
というプライドである。
もちろん「自分が良い」というのではなく、
「自分が作るものが良い」という
甘えのない、静かな情熱を秘めたプライド。
数あれば、良いってもんじゃない。
記事を書くときも、長ければ良いというよりも
「メッセージ」が伝わる長さが良い。
省略を恐れず”ムダ”はできるだけ削ぎ落とし、
「伝えたいこと」に意識を集中させる。
今日も「頭サビ9割」に来てくださって、ありがとうございました。
チューハイに合うのは、本格焼酎じゃないらしい。