なんかこう、
岡本太郎が乗り移ってきたような気分だった。
太陽の塔は
近くでみると、けっこう汚い。
そりゃそうだ、1970年の
万博博覧会で展示されたんだもんな。
実はまえから予約して(もらっていたので)、
塔内に入ることができた。
そりゃもう、まるで異空間。
「これを50年も前に作ったのかあ」
というのが、本質的なすごさだと思う。
芸術というのは、分からない。
どういう想いで、つくったのか?
分からないけど、
分かりたいと思うでしょ?
そんな魅力が太陽の塔にもあった。
自分なりに「意味」を感じたくて、
いろんなところをみて、岡本太郎と話をした。
話せたんですよ。
”岡本太郎”が乗り移ってくる感覚。
その話す時間には価値があり、
自分の考えが伸長する機会なのだと思う。
***
ーー根元に立ち戻れ
出口近くの、
制作秘話が書かれたパネルに書かれていた。
彼はこのメッセージをモニュメントに込めたらしい。
この言葉こそが「意味」なのかな。
いけいけドンドン。
高度経済成長の日本に対し、
あえて警笛を鳴らすアンチテーゼ。
ああ、内部を見て、
その意味がひしひしと伝わって来たなあ。
こんなふうに、
芸術の「意味」ってのは
たとえばガイドブックに書いてあると思うんです。
今でいえば、ネットで調べれば出てくるでしょう。
でも僕はガイドブックを買わないし、ネットで調べた上で、
芸術鑑賞をしようと思わない。
だって、そこにたどり着くまでの、話す時間がすごく大事。
ガイドブックを買って「知った」としても、
決してその意味を「分かった」ことにはならない。
でも、分かった気になってしまって
芸術家と向き合えない恐れがあるから。
分からないけど、
分かりたいと思う魅力を味わうために、ガイドブックは買わない。
そのほうが、たのしいな。
今日も「頭サビ9割」に来てくださって、ありがとうございました。
「根元に立ち戻れ」という言葉がすごく響いたので、
4年に1回くらい訪れようと思います。